ニムト(6人プレイ版)で勝ちやすくなるコツ

Dec 1, 2022  │  #boardgame  

この記事は卓ゲ箪笥 Advent Calendar 2022 の1日目の記事です。

ニムト というカードゲームをご存知でしょうか?
この記事はニムトのルールを知らないと始まらないので、ここではご存知であるという前提で話を進めます。1

1. はじめに

ニムトは人数やヴァリアントルールの採用有無により戦略が大幅に変わるゲームです。
ここではUnigiriがよく遊んでいる6人かつヴァリアントルール無し(以下、この記事のルールと呼ぶ)に絞って話を進めます。

そのため、この記事で説明するコツの大半はこの記事のルールでしか有効に働きません。ご注意下さい。

2. この記事でのカードと場の記載方法

ここではカードを カードの数字(そのカードを取った際の失点) 、場をテーブルで以下のように表します。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
1(1) 2(1) 3(1) 4(1) 5(2) 🐮
50(3) 51(1) 52(1) 🐮
70(3) 🐮
99(5) 100(2) 101(1) 104(1) 🐮

一番上の行の #n は列を左から数えた時の番号であり、分かりやすさのために書いています。
また #6の場所にカードが置かれた時に失点が発生するため、その事が分かりやすいように🐮を置いています。

更に各行の一番右にある札をここでは末尾と呼びます。
上記テーブルの太字になっている札が末尾となります。

3. ニムトは必ず勝てるゲームか?

この記事のルールにおいてニムトは必ず勝てるゲームではありません。
場の状態、抜かれているカードが何か、自分や相手の手札、相手の戦略等に勝敗が左右されます。

それでも、この盤面の時はこの札を出すと失点を回避しやすいというコツは存在します。
Board Game Arena で1197回2遊ぶうちにいくつかの有効と思われるコツが見えてきたので、この記事ではそれらのコツを説明します。

4. 大前提のコツ

これだけは覚えて下さい。大前提のコツです。

ワンチャンいけると思った時は大抵いけない

ワンチャンはノーチャンです。
ワンチャンの一例を挙げます。以下の行が場で末尾が最大の行であり、この時に手札の最高値である100を出すようなことです。

手札: 4(1), 21(1), 60(3), 73(1), 82(1), 97(1), 100(3)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
44(5) 50(3) 52(1) 55(7) 🐮

もし誰も56以上を出さなかった場合は100が #5 に入り、手札の60~97でこの行を取る可能性が無くなり失点を防げます。
しかし他の誰か1人のみが56以上99以下のカードを出した場合は100が #6 に入り、16点の失点という相当な痛手となります。
そしてそういう場合に限ってその他の誰か1人が現れて失点をするものなので、無難に4か21を出したほうがよいです。

カードゲーム全般に言えることですが、失点の可能性が高いカードを出すと5回中4回は負けます。
5回中1回の勝ちに掛けるよりも、常に無難な手札を出して全体の勝率を上げましょう。

5. 汎用のコツ

序盤のコツに入る前に、どの盤面でも使える汎用的なコツを1つ書きます。

連続している札を出すべきな場合は大きな数字の方を出す

連続しているとは、出される可能性がある札の中で数字の差がちょうど1となる2枚以上の札のことです。

明らかに連続している場合

まずは明らかに連続している例を挙げます。

手札: 33(5), 34(1), 46(1), 51(1)

33(5)と34(1)は明らかに連続しています。\(33 + 1 = 34\)であるためです。
この時に33を出すと、末尾が最大となる行が以下のような状態になった場合に次の手番で不利となる可能性があります。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
32以下の札 32以下の札 32以下の札 32以下の札 33(5) 🐮

#5 を33で塞いだため、次の手番でこの行を取ることになる可能性があります。
33が末尾として #1 から #4 のいずれかに収まれば次の手番に安心して34を出せるため有利になりますが、そのような盤面になるかは他のプレイヤーが出す札に依存します。
そしてそういう場合に限って33が #5 に収まるケースが多くあります。

一方、同様の条件で34を出した場合の最悪ケースは以下のようになります。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
32以下の札 32以下の札 32以下の札 32以下の札 34(1) 🐮

この場合は次の手番で33を出すことにより失点を回避できます。
33を出した時のケースを回避するため、連続している場合は大きいほうの札を出したほうが良いです。

実質的に連続している場合

札に書かれている数字が連続していなくても、実際には連続となっている場合があります。例を挙げます。

手札: 33(5), 36(1), 46(1), 51(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
31(1) 34(1) 35(2) 38(1) 🐮

手札の33(5)と36(1)は一見連続していませんが、場のある行を見ると34と35が既に出ています。
この時33と36は実質的に連続となります。この後の手番において再度34と35が出されることはないためです。

この時に33を出すと、末尾が最大である他の行が以下のような状態になった場合に次の手番で不利となる可能性があります。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
31(1) 34(1) 35(2) 38(1) 🐮
32以下の札 32以下の札 32以下の札 32以下の札 33(5) 🐮

34と35は既に場に出されているため、このケースでは末尾が33(5)の行を取る可能性が最も高いのは36の札になります。
上記のようなケースを回避するため、この場合も連続した大きい方の札である36を出したほうが良いです。


以上が汎用的なコツになります。
これを踏まえた上で各コツをゲームの序盤、中盤、終盤に分けて説明します。

6. ゲーム序盤のコツ

まず、何はともあれ手札のうち一番大きな数字の札をとりあえず出し…てはいけません。

まず前提として、ニムトでは数字が大きい札を手札に多く抱えていると後々不利になります。3
なぜならゲームが進むにつれ、以下のように手札の一番小さい数字を出さなければ失点となる盤面がしばしば発生するからです。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
9(1) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

このような盤面ではほぼ確実に11が10未満の札により取られて #2 に2番目に小さい札、 #3 に3番目に小さい札…の順番に置かれ、最終的に31未満のうち最も大きな数字を出したプレイヤーが一番上の行の札を取ることになります。
なぜそのようになるかは中盤に詳しく説明します。

この前提を考えると、序盤で手札にある大きな数字の札を速やかに処分したいという気持ちになります。
しかし注意したいのは周りの他のプレイヤー達もそう考えている可能性が高いということです。

ここで例として、ゲーム開始時点の場と手札を挙げます。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 59(1), 71(1), 85(2), 96(1), 101(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
11(5) 🐮
41(1) 🐮
65(2) 🐮
22(5) 🐮

仮に手札の最大値である101を出したとして、起こり得るケースは主に3つ考えられます。

  1. プレイヤー全員が66以上の数字を出す

    この場合は上から3行目に全てのカードが集まることになり、2番目に大きな数字を出したプレイヤーが失点します。
    運良く101が2番目に大きな数字にならなければセーフですが、これはワンチャンの対象内なので5回中4回は失点します。

  2. プレイヤー1人のみが64以下の数字を出し、残りのプレイヤーは66以上の数字を出す

    よくあるケースです。
    この場合は最も大きな数字を出したプレイヤーが失点し、101は十分大きな数字なので失点の可能性が高いです。

  3. 2人より多いプレイヤーが64以下の数字を出し、残りのプレイヤーは66以上の数字を出す

    失点回避です。
    しかし他のプレイヤーも大きな数字の札を処分したいと考えているため、このケースはめったに発生しません。

発生しやすいのは1か2のケースであり、どちらの場合でも101は失点の可能性が高い札となります。
そのためここでは96や101のような大きな数字の札を出すべきではありません。

では何を出せば良いかというと、ここで序盤のコツ1です。

序盤のコツ1: 場の末尾が最大の行が安全な行であれば安全な札を出す

安全な行、安全な札とは何か

安全な札とは、一言で言えば失点の可能性が低い札です。
また安全な札が存在する行を安全な行と呼びます。4

例として以下の行について安全かどうかを考えます。
簡単のため、他の行や今までに出された札の数字はこのセクション内では考慮しないものとします。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 59(1), 71(1), 85(2), 96(1), 101(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
11(5) 14(1) 20(3) 🐮

この行は安全ではありません。

まずこの行の最後尾である数字を\(N(=20)\)、この行に既に置かれているカードの枚数を\(M(=3)\)とします。

$$ N = 20 $$ $$ M = 3 $$

この時以下の条件を満たす\(O\)が手札にある時にその行を安全な行、札\(O\)を安全な札と呼びます。

$$ N + 1 \le O \le N + (5 - M) + max(0, 3 - M) \times 2 $$

\(max(0, 3 - M)\)は\(0\)と\(3 - M\)のうち大きい方の値を選択するという意味です。
\(N\)と\(M\)を今回の例に当てはめると以下のようになります。

$$ 21 \le O \le 22 $$

手札に21以上22以下の札は存在しないため、この行は安全ではありません。

別の例を挙げます。
手札は1つ前の例と同じとなっています。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 59(1), 71(1), 85(2), 96(1), 101(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
65(2) 🐮

この行は以下の条件を満たす安全な札\(O = 71\)が手札に存在するので安全です。

$$ N = 65 $$ $$ M = 1 $$ $$ N + 1 \le O \le N + (5 - M) + max(0, 3 - M) \times 2 $$ $$ 66 \le O \le 73 $$

以上が安全な行と安全な札の、序盤における基本的な算出方法です。
実際には既に出された札や盤面の状況により安全かどうかは変動しますが、出す札が1枚目や2枚目といった最序盤ではそれらを考えなければいけないケースはそう多くはありません。
小難しい式を書きましたが、大切なのは失点の可能性が低い札が安全な札であるということです。

これを踏まえて序盤のコツ1を説明します。

場の末尾が最大の行が安全な行であれば安全な札を出す

6. ゲーム序盤のコツ で挙げたゲーム開始時点の例を再掲します。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 59(1), 71(1), 85(2), 96(1), 101(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
11(5) 🐮
41(1) 🐮
65(2) 🐮
22(5) 🐮

この4つの行の中では、上から3番目の行が末尾の数字が一番大きいものになります。
この行は安全であり、安全な札は71です。そのため序盤のコツ1に従い71が出すべき札となります。

では、このような安全な行が無い場合はどうすればいいでしょうか。
そのような場合のために、他の例を挙げながら序盤のコツ2と3を説明します。

序盤のコツ2: 場の最大の末尾の数字Aよりも小さく、かつその中で最大値の札を出す (序盤のコツ1を適用できない、かつAより大きな数字の札が多く出される可能性が高い場合)

このようなケースは出す札が1枚目や2枚目といった最序盤でしばしば発生します。
例としてそのような場合の場と手札を挙げます。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 59(1), 71(1), 85(2), 96(1), 101(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
18(1) 🐮
88(5) 🐮
75(2) 🐮
47(1) 🐮

この場合、場の末尾が最大である88(5)の行が安全ではないため序盤のコツ1は使えません。
そして手札が10枚あるためこれから1枚目の札を出すということであり、これは89以上の札が相手プレイヤーの手札に十分存在する可能性が高いということを意味します。

ここで 6. ゲーム序盤のコツ にある起こり得るケースの2番目を思い出します。

  1. プレイヤー1人のみが64以下の数字を出し、残りのプレイヤーは66以上の数字を出す

    よくあるケースです。
    この場合は最も大きな数字を出したプレイヤーが失点し、101は十分大きな数字なので失点の可能性が高いです。

ここではあなたがそのプレイヤー1人のみになります。

まず仮に全てのプレイヤーが可能な限り数字が大きい札を出そうとした場合、出される札はほとんどが89以上となります。
そして実際に多くはそのような場合となります。

逆に言えば、87以下の全ての数字の札は失点の可能性が低い札となります。
つまり各行の末尾 18(1), 88(5), 75(2), 48(1) のうち最大値である 88(5) よりも小さい値である1以上87以下は失点の可能性が低いです。
そのためこのようなケースでは、手札にある1以上87以下のうち最大値である85(2)が出すべき札となります。

序盤のコツ3: 場の末尾が最大の行を無いものとみなし、次に末尾の数字が大きい行が安全であれば安全な札を出す (序盤のコツ1と2を適用できない場合)

こちらも例としてそのような場合の場と手札を挙げます。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 59(1), 71(1), 85(2), 96(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
95(2) 101(1) 102(1) 🐮
80(3) 82(1) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 🐮
47(1) 49(1) 🐮

これに序盤のコツ2を当てはめると、出すべき札は96(1)となります。
場の末尾が最大の行の末尾の数字は102であり、手札にある1以上101以下のうち最大値は96となるためです。

しかしニムトの世界において、102より大きな数字は103と104しか存在しません。
またこの記事のルールでは103や104が抜かれている可能性が十分にあります。

このような盤面において他のプレイヤーが可能な限り高い数字のカードを処分しようとする場合、96(1)を出すと失点する可能性があります。
現在は2枚目の札を出す手番であり、83以上94以下の札を持っている他のプレイヤーが十分に存在する可能性が高いためです。

具体的な盤面を挙げると、96(1)を出した後に以下のような盤面となった場合に失点します。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
95(2) 101(1) 102(1) 104(1) 🐮
80(3) 82(1) 83(1) 88(5) 91(1) 96(1)
64(1) 66(5) 67(1) 79(1) 🐮
47(1) 49(1) 🐮

では、失点を防ぐにはどの札を出せば良いでしょうか。
幸運にも手札に85(2)の札があり、これは82(1)の行に対して安全です。
96の代わりに85の札を出した場合、以下のような盤面になり失点を防ぐことができます。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
95(2) 101(1) 102(1) 104(1) 🐮
80(3) 82(1) 83(1) 85(2) 88(5) 91(1)
64(1) 66(5) 67(1) 79(1) 🐮
47(1) 49(1) 🐮

そのため、このような安全な札がある場合はそれを出して失点を防ぎます。
一般化した言い方に変えると、場の末尾が最大の行を無いものとみなして次に末尾の数字が大きい行の安全な札を出すという表現になります。

そのような安全な札が無い場合は、場の末尾が最大の行を無いものとみなした上で序盤のコツ2を再適用して下さい。
上記の例に当てはめると、手札にある1以上81以下のうち最大値である71(1)が出すべき札となります。


以上、序盤はこれらの3つのコツを使って可能な限り大きな数字の札を捨てながらゲームを進めます。
これら3つのコツを全て適用できないケースがあるかもしれません。その場合は失点を防ぐような最大限安全な札を出して下さい。
繰り返しになりますが安全な札を出せば失点を防ぐことができ、ニムトにおいて失点を防ぐのは重要なことです。

7. ゲーム中盤のコツ

中盤とは、全てのプレイヤーにとって安全な行が無くなるような盤面が多くなってきた時のことです。
以下、全てのプレイヤーにとって安全な行が無いようないくつかの例を挙げます。

全てのプレイヤーにとって安全な行が無い例1

手札: 17(1), 39(1), 44(5), 59(1), 71(1), 84(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
61(1) 62(1) 66(5) 67(1) 68(1) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
82(1) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

一見82(1)の行が安全に見えます。
しかし他の行が既に5枚の札で埋まっているため、82(1)の札が30以下の札で取られる可能性が非常に高いです。
そのためこの盤面には安全な行はありません。

全てのプレイヤーにとって安全な行が無い例2

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 57(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
11(5) 45(2) 49(1) 54(1) 56(1) 🐮
41(1) 43(1) 55(3) 🐮
38(1) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

一見55(3)の行が安全に見えます。
しかし上から1番目の行の末尾が56(1)であるため、この手番で55(3)の後ろに札が続くことはまずありません。
他のプレイヤーが上から1番目の行を取れば55(3)の後ろに札が続きますが、ほとんどのケースでは38(1)を取るため5ここでは考慮しなくても問題ありません。

そのためこの盤面は実質例1と同じであり、安全な行はありません。

全てのプレイヤーにとって安全な行が無い例3

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 85(2)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
9(1) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
22(5) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

この盤面は 6. ゲーム序盤のコツ で挙げた例の再掲です。

9(1)の行に対して安全な札である10(3)と17(1)を持っています。
そして手札の残り枚数が多いため、他のプレイヤーも11以上30以下の札を持っている可能性が十分にあります。
このため一見9(1)の行が安全に見えますが、このケースではしばしば9(1)が8以下の数字の札で取られ、最大値の札を出したプレイヤーが失点をすることになります。

なぜそうなるか考えてみましょう。
8以下の札を持つということは、ゲーム中ほぼ確実に何らかの札を取らなければいけないということを意味します。
そのため数字が大きい札よりも優先度は低くなりますが、数字の小さい札も可能であれば早めに処分したい対象となります。

そこで場にある9(1)を見ると、これは小さい数字の札を持つプレイヤーにとっては取るべき札となります。

実際の盤面を見てみましょう。
まず9(1)を取らずに全てのプレイヤーが10以上30以下の札を出した場合、失点処理が終わった後の盤面は以下のようになります。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
10以上30以下の札A(X) 10以上30以下の札B(Y) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

元々場にあった9(1)の後ろに全ての札が出されるため、5番目に大きい数字の札Aを出したプレイヤーが失点した上でAが #1 に置かれ、最大値の札Bがその後ろに続きます。

これは8以下の札を持つプレイヤーにとっては良いとは言えない盤面です。
8以下の札を持つプレイヤーは可能であれば最小失点である(1)の札を取りたいと考えていますが、X+Yは必ず2以上になるためです。
こうなると以降のゲーム進行次第では8以下の札を出すタイミングを失い、最終的に大きな失点の行を取ることになる可能性があります。

次に1人以上のプレイヤーが8以下の札を出し、その他のプレイヤーが10以上30以下の札を出した場合の失点処理後の盤面を挙げます。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
10以上30以下の札(Z) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

これは小さい数字の札を多く持つプレイヤーにとって良い盤面となります。
仮にZが1となった場合、31以下の札を複数枚持っているプレイヤーはそのZを取ることで引き続き自分に有利な盤面を作ることができるためです。
そして失点1の札は失点2以上の札よりも枚数が多いため、そのような有利な盤面になる可能性は高いです。6

以上により、8以下の札を持つプレイヤーはこの盤面においてその札を出す可能性が高いです。
そしてそのようなプレイヤーがいた場合、9(1)に対して本来安全なはずの10以上17以下の札が安全ではなくなる可能性があります。

盤面で表すと、以下のような状態になる可能性があります。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
1以上8以下の札 1以上8以下の札 10以上17以下の札 10以上17以下の札 10以上17以下の札 10以上17以下の札
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

このようなケースでは #6 に置かれている本来安全なはずの10以上17の札により失点が発生します。
そのためこの盤面には安全な行はありません。


以上、全てのプレイヤーにとって安全な行が無いようないくつかの例を挙げました。
では中盤である判断した後はどの札を出せば良いでしょうか。ここでは場と手札の状態により4つのコツを使い分けます。

中盤のコツ1: 数字が一番小さい札を出す (場に失点2以下の行があり、かつそれを取れる場合)

全てのプレイヤーにとって安全な行が無い例3を再掲します。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 85(2)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
9(1) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

先述の通り、この例では9(1)が8以下の札で取られる可能性が高いです。ここではその流れに乗って2(1)を出しましょう。
これにより10以上17以下の札での失点を防ぐことができる上、手札の2を最小失点である(1)を取って処分することができます。

中盤のコツ2: 安全な札を出す (場の全ての行が失点3以上であり、かつ手札に安全な札がある場合)

中盤突入以降、いくつかの手番を経て序盤の状態に戻ったケースです。

手札: 2(1), 10(3), 17(1), 39(1), 44(5), 85(2)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
11(5) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

この場合、中盤のコツ1に従い11(5)より小さな数字の札を取る必要はありません。
失点5はかなり痛く、2や10での大量失点は可能な限り回避するべきであるためです。

この盤面では序盤のコツ1を適用します。
この例では安全である17(1)7が手札にあるため、それを出すことで失点を回避します。

中盤のコツ3: 最小失点の行の末尾の数字Aより大きく、かつ2番目に失点が小さい行の末尾の数字Bより小さい数字の札を出す (場の全ての行が失点3以上であり、安全な札がなく、かつ十分に大きいA以上B以下の安全な札を持っている場合)

例を挙げるため、中盤のコツ2の例の手札を変更します。

手札: 2(1), 10(3), 29(1), 39(1), 44(5), 85(2)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
11(5) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

どの行も大量失点となるため、全てのプレイヤーがどの行も取りたくないと考えます。
手札に安全な札があれば中盤のコツ2に従いその札を出すべきですが、今回の例ではそのような札がありません。
このケースで目指すべきは一番上の行において6番目に大きな数字を出すプレイヤーになることです。8

6番目に大きな数字を出すプレイヤーとなった場合、出した後の盤面は以下のようになります。
出された札の分かりやすさのために本来は存在しない #7 を追加しています。

#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7
11(5) 12以上30以下の札 12以上30以下の札 12以上30以下の札 12以上30以下の札 12以上30以下の札 あなたの札
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

実際には #6 の札が #1 に置かれるため、 #7 の札は #2 の位置に収まります。
中盤のコツ1と2より確実性はありませんが、これにより失点を回避することができます。

この状態を作り出すため、2番目に失点が小さい行の末尾である31(1)を超えない範囲での手札の最大値を出します。
この例では29(1)が十分に大きく6番目の札となる可能性があるため、これを出すことになります。

ただしこのコツには例外があります。A以上B以下の札を出した時に失点が大きな他の行を取る可能性がある場合です。
そのような場合の例を挙げます。

手札: 2(1), 10(3), 29(1), 39(1), 44(5), 85(2)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
11(5) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
12(1) 15(2) 19(1) 22(5) 28(1) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

中盤のコツ3である

最小失点の行の末尾の数字Aより大きく、かつ2番目に失点が小さい行の末尾の数字Bより小さい数字の札を出す

において、この例では\(A = 11\), \(B = 31\)です。
このコツをそのまま適用すると出すべき札は29になりますが、29を出すと上から3番目の行をほぼ確実に取り失点をすることになります。

この場合は手札から10(3)を出して11(5)を取るのが良い選択になります。
後述の終盤のコツを適用して十分大きな数字の札を出すという戦略もありますが、万が一それに失敗すると一番上以外の行を取り大量失点となります。
そうなるよりは、5点の失点を受けてでもそれを回避したほうが良いです。

中盤のコツ4: 高失点の札で場の行を取る (中盤のコツ1から3が全て適用できない場合)

これは失点を抑えるコツではなく、他のプレイヤーにとって有利な盤面にさせないためのコツです。
このコツが必要になる場合は大抵手札が大きな数字で埋め尽くされています。
例として中盤のコツ1の例の手札を大きな数字が多いものに変更します。

手札: 44(5), 57(1), 79(1), 85(2), 95(2), 99(5)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
9(1) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

この場合ではどの札を出しても高失点の可能性が高くなっています。
この状態で他のプレイヤーが10以上30以下の札を出した上であなたが手札の高失点の札、例として44(5)を出すと次の手番は以下のようになります。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
10以上30以下の札A(X) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
44(5) 🐮

Xの値が小さい場合、45以上54以下の札を持つプレイヤーにとって良い盤面となります。
44(5)は高失点なので札Aと比べて取られる可能性が低く、安心してそれらの札を出すことができるためです。
Xの値が大きい場合、同様の理由により45以上54以下の札を持つプレイヤーとA以上43以下の札を持つプレイヤーの両方にとって良い盤面となります。

いずれにせよ、このコツを使うと次の手番において出される札が一番上の行と一番下の行に分散されて序盤の状態に近い盤面に戻すことができます。
依然として大きな数字の札を持つプレイヤーに不利な盤面には代わりありませんが、中盤のコツ1から3の例のような盤面が続くよりは失点の可能性が低くなります。

また、このコツでは手札の状態によりどの高失点の札を出すかが変わります。
もう一つの例として、100以上の札が手札に存在する場合を挙げます。

手札: 44(5), 79(1), 85(2), 95(2), 99(5), 101(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
9(1) 🐮
41(1) 43(1) 50(3) 54(1) 55(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
21(1) 25(2) 27(1) 30(3) 31(1) 🐮

この場合は99(5)が出すべき札になります。
99(5)は高失点なので取られる可能性が低く、次の盤面で手札の101(1)を安心して出すことができるためです。
一般化した言い方に変えると、出す高失点の札の数字より大きく、かつその数字に十分近い他の札を持っている場合はその高失点の札を優先して出します。


以上の4つのコツ全てが適用できない場合、その盤面はあなたにとって終盤です。
最後に終盤ではどのような札を出せば良いかを説明します。

8. ゲーム終盤のコツ

終盤のコツは1つだけです。
終盤においてやれることは少なく、序盤と中盤のコツは終盤を有利に進めるためのものであるためです。

終盤のコツ: 失点が明らかに大きな行を除き、各行の末尾の数字から最も離れた数字の札を出す

中盤のコツ1から3で小さい数字の札を出し尽くすため、終盤では手札は大きな数字で埋め尽くされています。
また中盤のコツ4を適用できないということは高失点の札が手札に無いということを意味します。

しかし10枚の手札のほとんどが低失点かつ数字が大きいものではない限り9、あなたにとって終盤ということは他のプレイヤーにとっても終盤である可能性が高いです。
この場合、他のプレイヤーよりも数字が大きい札を持っていることを信じてその札を出すことになります。

終盤の例を挙げます。

手札: 84(1), 93(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
69(1) 🐮
97(1) 99(5) 100(3) 103(1) 104(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
72(1) 74(1) 77(5) 81(1) 82(1) 🐮

この場合、手札の84(1)と93(1)のどちらを出しても一番下の行を取り失点する可能性が高いです。
しかし他のプレイヤーも終盤の手札となっており、かつその内容が以下のような場合は失点を回避できる可能性があります。

他のプレイヤーPの手札: 79(1), 92(1)

上から3番目の行の失点は10、一番下の行の失点は9です。
1点の差ではありますが一番下の行を取ったほうが失点の点数は小さくなります。
また79(1)は上から3番目の行の末尾である75(2)にあまりに近く、Pが79(1)を出すとほぼ確実にその行を取ることになります。
よって92(1)のほうが失点の可能性が低いと考え、Pはその札を出すことになります。

ここであなたが93(1)を出すと失点を回避します。
Pの札である92(1)が一番下の行を取り、93(1)が #2 に収まるためです。

複数のプレイヤーが終盤となっている場合、しばしばこのような大きな数字の札の出し合いが発生します。
そして他のプレイヤーが終盤となっているかはある程度予測が可能です。

先程の終盤の例を再掲します。

#1 #2 #3 #4 #5 #6
69(1) 🐮
97(1) 99(5) 100(3) 103(1) 104(7) 🐮
64(1) 66(5) 67(1) 71(1) 75(2) 🐮
72(1) 74(1) 77(5) 81(1) 82(1) 🐮

この時、一つ前の手番で69(1)を出したプレイヤーは終盤である可能性が高いです。

69(1)を出したプレイヤーがこの手番で一番上の行に札を置くには、手札に70(3)もしくは73(1)の札がある必要があります。
しかし中盤のコツ4によりある程度大きな失点を持つ70(3)は69(1)よりも早く出される可能性が高く、そのような展開になっていないということは70を持っている可能性は低いです。
また71と72が既に場に出ているため69と73は連続しており、前述の汎用のコツによって73を持っている可能性は低いです。
よってこのプレイヤーにとって69が75以下の最後の札である可能性が高いということになります。

このため、一つ前の手番で69(1)を出したプレイヤーがこの手番で出す札はほぼ確実に76以上になります。10
このタイミングであなたの手札も終盤となっていれば、祈りながら数字が一番大きい札を出しましょう。

終盤になっていると考えられる他のプレイヤーがいない場合もできることは同じです。
祈りながら数字が一番大きい札を出しましょう。

失点が明らかに大きな行を除くべきである例

同じ手札でも93ではなく84を出すべきである場合があります。そのような例を挙げます。

手札: 84(1), 93(1)

#1 #2 #3 #4 #5 #6
69(1) 🐮
97(1) 99(5) 100(3) 103(1) 104(7) 🐮
73(1) 75(2) 77(5) 79(1) 85(2) 🐮
68(1) 71(1) 72(1) 76(1) 82(1) 🐮

各行の末尾の数字から最も離れた数字の札は93(1)です。
終盤のコツをそのまま適用すると93(1)が出すべき札となりますが、ここで各行の失点の合計がいくつかを考えます。

#1 #2 #3 #4 #5 #6 失点の合計
69(1) 🐮 1
97(1) 99(5) 100(3) 103(1) 104(7) 🐮 17
73(1) 75(2) 77(5) 79(1) 85(2) 🐮 11
68(1) 71(1) 72(1) 76(1) 82(1) 🐮 5

上から3番目の行の失点の合計は11であり、一番下の行の合計5よりも明らかに大きくなっています。
失点11は大きな痛手なので失点5を取ってでも回避するべきであり、よってこの盤面においては84(1)が出すべき札になります。
これが終盤のコツに 失点が明らかに大きな行を除き と書かれている理由です。

9. おわりに

説明漏れや説明不足等があるかもしれませんが、現在の私は概ねこれらのコツに従いこの記事のルールのニムトで遊んでいます。
ほとんどのコツは私の経験を元にして書かれていますが、唯一序盤のコツ1: 場の末尾が最大の行が安全な行であれば安全な札を出す はBGAでELOが500以上のプレイヤーからチャットで教えていただいたものです。
なので序盤のコツ1だけは胸を張ってこれは有効と言えます。

長文になりましたが、ニムトで一番大切なことは失点をしないことです。
失点をしなければしないほど上位に入ることができ、常にその状態であれば1位になる確率が高くなります。
長々と書いたこれまでの文章は、最大のコツである「失点をしない」を小さいコツに分割して具体例を挙げただけのものです。

現在の私にとってこれらの小さいコツが失点をしないために重要なことですが、どのような札の出し方が失点をしにくいかはプレイヤーそれぞれの考えがあります。
ぜひニムトでたくさん遊んで、みなさんのオリジナルのコツを見つけて下さい。

これで卓ゲ箪笥 Advent Calendar 2022の1日目の記事は終わりです。
明日はきむにぃさんの2022年のドイツ年間ゲーム大賞受賞ゲームについて です。


  1. 「ニムト 遊び方」というキーワードでウェブ検索すると、分かりやすくルールを説明しているページや動画がたくさんあります。そちらをご参照ください ↩︎

  2. 2022年11月29日時点の回数です ↩︎

  3. 実際は終盤において極端に大きな数字の札は有利となる場合があり、不利なのはそのような札を多く抱えている場合です。詳しくは終盤のコツで説明します ↩︎

  4. 安全な行・安全な札共に私がこの記事でそう呼んでいるだけであり、一般的な単語ではありません ↩︎

  5. 稀ですが他のプレイヤーが上から1番目の行を取るケースは存在します。そのプレイヤーの残りの手札が全て57以上である場合です。この場合は次の手番で上から1番目の行を取り10点の失点を受けてしまう可能性が高いため、38(1)を取った上で次の手番で10点を失点するくらいならこの手番で10点失点したほうがそのプレイヤーにとって次の手番が有利になる場合があります ↩︎

  6. これを見越してそのようなプレイヤーに有利な盤面を作らせないよう、わざとZが大きくなるような札を出すコツがあります。詳しくは中盤のコツ4で説明します ↩︎

  7. 11(5)に対して17(1)が安全であるというのは実は少し攻めた判断です。12以上16以下の札に抜けがなく、かつ他のプレイヤーに対してそれらの札が均等に配られている可能性があるためです。しかし発生確率は低いためここではその可能性を無視しています ↩︎

  8. この盤面はプレイヤーによって判断が分かれるかもしれません。一番上の行に15(2)や20(3)などの高失点の札が置かれることで、最終的に76以上の札を出して上から3番目の行を取ったほうが失点が抑えられる可能性があるためです。私は数字が大きい札は終盤では有利に働く場合があるため中盤では使わないようにしています ↩︎

  9. 稀によくあるケースです。このような手札となった場合はそのゲームでの勝ちは諦めましょう ↩︎

  10. 稀にこの状態で68以下の札を出すプレイヤーがいます。終盤であると見せかけるためだと私は考えていますが、本人に確認を取ったことがないため真相は分かりません ↩︎